国連本部にて 日本ならばこそできる外交
2008年 12月 29日
話題を転じ、夏の終わりの、ある出来事をご紹介したいと存じます。
ところは、東京郊外の小さな街。去る8月末、ここに海外から9人の高校生がやって来ました。日本に来るのは初めてです。慣れない料理に顔をしかめるなどは、どこにでもいそうな高校生のビジターと、変わるところがありません。
1つだけ、ありふれた招聘プログラムの参加者に比べ、彼ら、彼女らを際立たせていた特徴がありました。4人がパレスチナ、5人がイスラエルの高校生で、全員、テロリズムを始めとする過酷な中東の現実によって、親族を亡くした遺児であったという点です。
議長、
日本の市民社会が地道に続けてくれている、和解促進の努力をご紹介しました。高校生たちは、母国にいる限り、互いに交わることがないかもしれません。しかし遠い日本へやってきて、緑したたる美しい国土のあちこちを、イスラエル、パレスチナそれぞれの参加者がペアをなして旅する数日間、彼らの内において、何かが変わるのです。親を亡くした悲しみに、宗教や、民族の差がないことを悟り、恐らくは涙を流す。その涙が、彼らの未来をつなぐよすがとなります。
包括的な中東和平には、それをつくりだす、心の素地がなくてはならぬでしょう。日本の市民社会は、高校生の若い心に投資することで、それを育てようとしているのであります。
議長、
この例が示唆する如く、日本ならばこそできる外交というものがあることを、私は疑ったことがありません。
第63回国連総会における麻生総理大臣一般討論演説(動画)
政治家にとっての重要な才能の一つに、臨機応変・当意即妙能力というものがあります。その点に関しては、麻生総理は国際的にすでに高い評価を得ています。最初の国連演説で同時通訳のシステムが不具合を起こし、国連事務局員が壇上に駆け上がりその事態を伝えた時に「Not Japanese Machinery?(日本の装置じゃないの?)」と発言し、スピーカーを通して場内に伝わった言葉に場内大爆笑、スタンディングオベーションまで出る状況は当意即妙能力が世界中に伝わった瞬間でした。
また、金融危機に関しアメリカの格付け会社が極めて不正確な格付けを投資銀行や証券化商品に付けていた事に関し、アメリカの代表的格付け会社『スタンダード & プアーズ』を称して「会社名はプアー・スタンダード (貧弱な基準) の間違いじゃないの?」とやって爆笑を誘ったりと、その場その場の状況を鋭く分析し、端的な一言で問題点を指摘する能力は各国首脳が高く評価するところでありますが、日本のマスコミは認めようとしたくないようです。
甘利明公式サイト 国会リポート 「げんき君マガジン」 143号