「GNH」は、大変興味のある考え方であり
2009年 09月 02日
3. また、ティンレイ首相より、ブータンにおいては、「国民総幸福量(GNH)」(*引用者註)を開発政策の一つの指標として用いているとの説明があり、麻生総理より、「GNH」は、大変興味のある考え方であり、参考となるところが多いと思っていると述べた。
4. 最後に、ティンレイ首相より、2011年は国交樹立25周年記念の年であり、国王の国賓による訪日を自分としては希望している、その際には文化行事、展示会等の開催を含めアレンジしたい旨述べた。
5. これに対し、麻生総理より、良い御提案なので、今後検討していきたい旨述べた。
外務省/9月2日 麻生総理大臣とティンレイ・ブータン首相との会談
引用者註*
外務省/「ブータンと国民総幸福量(GNH)に関する東京シンポジウム2005」
・ ワンチュク国王は、1970年代を通じて、ブータンの国民に資するべく、種々のシステム、メカニズムの導入につき検討を行った。他国のように GNPを増加させる政策のオプションもあったが、これを敢えて選ばず、ブータンの国民の心、文化、環境にフィットするものとして「国民総幸福量」(GNH)の導入を決定した。GNHは、農村開発、Basic Human Needs、GNP増加にも資する、全ての要素に適合する考えでもある。
・ GNHは幸福を実現するための手段であり、あくまで開発は人のために国民中心で行われるべきであり、また平等、均等であるべき。飲料水確保、医療・農業施設整備等は住民参加による開発によって実施されていくべき。また、国民の85%は農村に住んでおり、分権化の過程において、国民のエンパワーメント、エンタイトルメントが確保されていくことが重要。
・ 日本は、ブータンへの経済協力を通じて、GNH実現に大きな役割を果たしている。1960年代に派遣されたダショー西岡(JICA専門家。外国人として唯一、貴族の称号にあたる「ダショー」が付与される)は農村機械化、食糧増産のために尽力し、また日本の支援により、多くの村に電気通信設備が整備された。今後は、GNHを着実に実施していくためにも、キャパシティビルディング等の人材育成プロジェクトが重要。
・日本とブータンの皇室関係は極めて良好。1989年、1990年に、大喪の礼、即位の礼出席のため訪日したワンチュク国王は、各国元首と異なり、日本政府関係者にODA増額要請を一切行わなかったことが知られている。
外務省/「ブータンと国民総幸福量(GNH)に関する東京シンポジウム2005」
ブータンの猫
(c) 蘭子|写真素材 PIXTA
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