麻生副総理の笑顔で釣られ笑いするアルバムブログ


by floppy_smile

世界の持続的な生存と食料生産に向けて

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7月7日、ローマ近郊のフィウミチーノ空港にて。(AP)
「世界の持続的な生存と食料生産に向けて」(仮訳)
                                日本国総理大臣 麻生太郎

 今週金曜日、27か国の首脳と11の機関の長がG8ラクイラ・サミットの機会に集う際、食料安全保障は議論のハイライトとなる。私は、特に食料危機に苦しむ国々に対する援助について顕著な進展が達成されることを期待している。ラクイラで私は、責任ある海外農業投資を促進するための新たな提案を行うつもりだ。これは、いわゆる「農地争奪」-途上国の農地への大規模投資の増大傾向-を受けた提案である。

 この現象が世の関心事となってから既に1年が経つ。その間、新たな土地取引は継続的に新聞の見出しを飾った。国連特別報告者は行動原則の策定を呼びかけ、アフリカ連合(AU)は先週のAUサミットで本件について議論を行った。今必要なのは、関係者が結集し、グローバルな共同対応を形作ることである。日本は、世界最大の食料純輸入国かつ農業援助の主要ドナーとして、果たすべき役割があると考えている。

 過去数十年間、市場が安定していたおかげで、先進国への食料供給は当然視された一方、途上国地域の大部分では、食料不足が積年の課題であった。

 最近の価格高騰とそれが世界中で引き起こした社会不安は、世界の食料供給を巡る不確実性をまざまざと見せつけた。輸出規制は、輸入国において、もはや市場に頼ることはできないという不安を煽り、土地争奪を引き起こした。同時に、未曾有の価格高騰は、人間の安全保障に対して深刻な脅威を与えている。世界の栄養不足人口は近く10億人の大台を超える見込みである。

 今回の食料危機は、これまでも起こったような市場の気まぐれだろうか?様々な証拠が示唆するのは、そうではないということである。我々は、経済、気候、人口、環境を巡る新たな現実を受けた、新たな均衡点への移行の最中にある。そうだとすれば、食料安全保障はもはや飢餓救済のみの問題ではない。問題は、持続可能な生存のために、いかにして食料生産を従来の経済的・地理的な壁を超えて拡大できるかにある。

 途上国地域の農地への投資は、このような文脈の中で考える必要がある。これをゼロ・サムでなくウィン・ウィンの状況として捉えるべきである。日本とブラジルが30年かけて不毛の大地を世界有数の穀倉へと変貌させたセラード開発は、誇るべき先例である。

 規制的なアプローチは良い投資を抑制する可能性があり、望ましくない。持続的な投資は、持続可能な未来のための唯一可能な解決策であり、我々は、市場への信頼の回復、特に相次ぐ輸出規制を受けた食料輸入国の間の懸念の解消、に取り組まなければならない。慈善活動だけでは、永続的な解決にはならない。セネガルのワッド大統領は、自助努力を手助けするよう求めている。日本が主張する責任ある農業投資は、まさに同じ哲学に根ざすものであり、被援助国が産業として再生した農業を通じて経済発展を遂げることを支援するものである。

 我々は、責任ある投資及び持続可能な農地管理は法的拘束力のない原則によって促進されると考えている。この原則は以下の内容を含むべきである。

* 国際農業投資、特に政府が関与している場合には、透明性と説明責任が不可欠である。投資家は、地域共同体を含む主要な関係者が、適切に情報提供を受けることを確保すべきである。合意事項は公開されるべきである。
* 投資家は、投資計画が影響を与える地域住民の権利、特に土地に関する権利を尊重しなければならない。投資家はまた、投資によって得られた利益が、雇用、インフラ、技能・技術移転のかたちで地域社会と共有されることを確保すべきである。
* 投資計画は、被投資国の開発戦略と環境政策に統合されるべきである。
* 投資家は、被投資国の食料需給の状況を考慮に入れなければならない。外国からの投資が現地の食料不安を悪化させるようなことはあってはならない。
* 土地や生産物の取引は、市場価格を適切に反映すべきである。貿易措置は、WTOルールに従わなければならない。

 日本は、主要パートナーとの協力のもと、行動原則に合意し、良き慣行を取りまとめるためのグローバルな協議体を立ち上げる。我々は、9月に関係者が集うことを提案する。我々の利益は相互に関連しており、共通のビジョンを有した大連合が必要である。

外務省/「世界の持続的な生存と食料生産に向けて」フィナンシャル・タイムズ紙掲載原稿(仮訳)
注)「農地争奪」=昨年の食料価格高騰を契機として、韓国、中国、湾岸諸国等の食料輸入国が、自国民への食料供給を主目的として、途上国で農地買収を含む農業投資を活発化。マダガスカルでは、政府と韓国企業が、同国の耕作可能面積の半分にあたる土地を 99年間無料で貸借する契約を交わしたとの報道が一つの契機となって政争が激化し、政府が転覆。外資による農地取得の急増が途上国に与え得る深刻な影響にかんがみ、FAO等の国際機関は投資家及び投資受入国が従うべき行動原則を策定する可能性につき提起している。

外務省/
英フィナンシャル・タイムズ紙への総理寄稿
「食料安全保障の永続的な解決(The lasting solution to food security)」(骨子)


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by floppy_smile | 2009-07-07 21:17 | 外交で